介護職員のための重要用語集

アルファベット

 

◆ADL【activities of living】
日常動作。
食事、排泄、入浴、更衣、整容など人が独立した生活をするうえで毎日繰り返す基本的な動作。

 

◆ADIS【acquired immunodeficiency syndrome】
エイズ。
後天性免疫不全症候群のこと。ヒト免疫不全ウィルス(HIV)による感染症。
感染力は弱く、感染経路としては注射器の再使用などによる血液から、性行為による体液から、母子感染による母乳からがある。
かつての血液製剤による薬害エイズもしられている。現在は、薬の開発が進んでおり、感染しても発症を抑えることができるようになった。

 

◆ALS【amyotrophic lateral sclerosis】
筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)。
筋肉の衰えが全身的に発症する疾患で、進行が速い。50代での発症が多く、男性は女性の約2倍の発症率。

 

◆BMI【body mass index】
体格指数。
身長と体重の関係によって肥満ややせの状態がわかる。
体重(Kg)÷(身長(m)の2乗)で求められBMI25以上が肥満とされ、18.5以下がやせとされる。

 

◆CAPD【continuous ambulatory peritoneal dialysis】
携行持続腹膜透析。
自分の肝臓で血液を浄化できなくなった腎不全の人が、お腹にチューブを通し透析液を入れ、腹膜をつかって血液を浄化する方法。
透析液がバックに入っており、携帯できる。1日数回の交換をするが、そのつど医療機関に通う必要はない。

 

◆COPD【chronic obstructive pulmonary disease】
慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)。
慢性肺気腫、慢性気管支炎などの総称で、軌道の狭窄(きょうさく)や閉塞によって呼吸状態が進行性に悪化していく疾患。

 

◆CT【computed tomography】
コンピュータ断層撮影。
360度全方向からX線を当ててコンピュータで解析し、からだの断面の画像を得る。
脳出血、肺疾患、肝臓や腎臓などの疾患の診断に適している。

 

◆DSM【diagnostic and statistical manual of mental disorders】
精神疾患の診断と統計マニュアル。
アメリカ精神医学会が作成した精神障害を診断するときに使用されるガイドライン。
改訂を重ね、現在は第4版DSM-IV-TRが出版されており、2013年に第5版DSM-5が発表される予定になっている。

 

◆DV防止法【でぃーぶじぼうしほう】
「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」のこと。
DVはドメスティックバイオレンス(家庭内暴力)の略。

 

◆EBM【evidence-based medicine】
根拠に基づいた医療。
従来、医師の勘と経験に頼っていた治療を、さまざま調査報告を集めて、どの治療法がどの程度効果があるかを判定して最善の治療法を選択する。

 

◆HbA1c【hemoglobin A1c】
ヘモグロビンA1c(エーワンシー)。
血液検査で、糖尿病の血糖コントロールの指標となる。過去1?2か月の血糖の状態を表すもので、検査直前の食べ過ぎや節制は反映しない。
2012年4月から、従来の日本糖尿病学会によるJDS値より0.4%高い国際標準値(NGSP値)で表記されることとなった。当分の間JDS値も併記される。

 

◆HDS-R【Hasegawa dementia scale-revised】
改訂長谷川式簡易知能評価スケールのこと。
認知症の発見のためにもっとも一般的に使われる検査。
簡単な質問に答えて得点数で判定する。MMSEよりも質問数が少ない。

 

◆HOT【home oxygen therapy】
在宅酸素療法。
COPDなどの肺や心臓の疾患で自力での呼吸が十分でない場合、在宅でも酸素を実効的に取り込むことで、なるべく普通の生活が送れるようにする療法。
外出、旅行なども可能となる場合がある。酸素と供給装置は業者が提供する。酸素のそばでは火気厳禁のこと、医師の指示を守ること、停電時、災害時の対応を知っておくことなどの注意点がある。

 

◆HUS【homolytic uremic syndrome】
溶血性尿毒症症候群。
出血性大腸菌に感染したのちなどに、肝臓をはじめとする臓器の血管に障害が発生する疾患。
肝臓の血管が障害されると腎不全となり、脳への障害もあり、生命にかかわる状態となる。

 

◆IADL【instrumental activities of daily living】
日常生活関連動作。
APDL、手段的ADLと同様の意。
ADLを広い範囲に拡大した、買い物、料理、掃除、金銭管理、公共交通機関の利用など、毎日の生活に必要な動作。

 

◆ICF 【International Classification of Functioning,Disability and Health】
国際生活機能分類。
WHOがさまざまな分野の研究などで使うことを目的に、障害者の生活機能と障害、背景因子などについて分類したもの。
以前は、国際障害分類という名称だったが、障害ではなく生活機能というプラス面に視点を置いている。

 

◆JIS 【Japanese Industrial Standards】
日本工業規格(JIS)。
工業製品の標準化の認定を受けたマーク。
福祉用具については、手動車いす、電動車いす、在宅用電動介護用ベッドについて、安産の確保のためにJISマーク表示をつけることになっている。

 

◆MMSE 【mini-mental state examination】
ミニメンタルステート検査。
認知症の発見のための検査の一つ。
簡単な質問に答えて得点数で判定する。
HDS-Rと違い、図形を描かせる問題がある。

 

◆MRI 【magnetic resonance image】
核磁気共鳴画像法。
X線を使わずに、磁場と電波を使って体内の臓器の状態を画像で調べる検査。
ペースメーカーや骨折でボルトなどの金属を体内に埋め込んでいる人には行えない。

 

◆MRSA感染症 【えむあーるえすえーかんせんしょう】
メチシリンというペニシリン系の抗生物質が効かない菌(メチシリン耐性黄色ブドゥ球菌)の感染症。
院内感染を引き起こす。
この菌は、ほかの抗生物質にも耐性をもつ。

 

◆N式老年者用精神状態尺度
認知症の発見のための検査の一つ。
家事、関心、会話、記憶、見当識などの項目を日常生活を観察することで点数にして判定する検査。
本人には質問などする必要はないが、検査を行う人の主観が入る。

 

◆N式老年者用日常生活動作能力評価尺度
認知症の人の日常生活動作の能力を評価する検査。
歩行、生活圏、着衣、摂食、排便などを観察して点数で評価する。

 

◆QOL 【quality of life】
人生の質、生活の質。
どれだけ人間らしく幸福に生活できているかを計る尺度。

 

◆ROM 【range of motion】
関節可動域。
関節を最大限に動かすことのできる範囲のこと。
硬縮(こうしゅく)や変形で関節可動域が制限される。
ADLを円滑に行うためには関節可動域が確保されていることが重要。

 

介護職員のための重要用語「あ」行

重要用語「あ行」

 

◆悪性新生物 【あくせいしんせいぶつ】
がんのこと。
日本人の死因の第一位である。

 

◆悪玉コレステロール 【あくだまこれすてろーる】
LDLコレステロール。
増加すると心筋梗塞などを引き起こす動脈硬化の原因になる。
医師の指導のもと、食事内容の改善や適度な運動など生活習慣を改めることで、悪玉コレステロールを減らすことができる。

 

◆アセスメント
事前評価のこと。
医療関係者が問診や検察結果、症状の観察などの結果を評価・解釈・分析そして患者が抱えている問題点を明らかにすること。
介護支援専門員(ケアマネージャー)や介護職員が利用者の状態な等を把握するために行うこともいう。

 

◆アセスメントシート
アセスメント内容のほか、利用者氏名、保険形態、アセスメント理由、家族構成、続柄などが記入できるようになっている。

 

◆歩き回り 【あるきまわり】
徘徊(はいかい)のこと。
認知症の周辺症状(BPSD)のひとつ。
目的もなくどこかへ行ってしまうように見えるが、本人には歩き回る理由があるので、それを聞き対処する。
事故の危険があるので注意が必要。

 

◆アルツハイマー型認知症 【あるつはいまーがたにんちしょう】
記憶障害で発生し、徐々に失見当識(しっけんとうしき)、人格崩壊に進行し、寝たきりとなっていく疾患。
脳の委縮が認められる。

 

◆アルツハイマー型認知症治療薬 【あるつはいまーがたにんちしょうちりょうやく】
今のところ、認知症を根本的に改善する治療薬はなく、認知症の進行を抑える薬のみである。
ながらくドネペジル(商品名アリセプト)しか販売されていなかったが、薬の服用が困難な認知症の人のために、皮膚に貼るタイプの薬が販売された。

 

◆医行為 【いこうい】
医療行為のこと。
医師、歯科医師等が医学に基づいて疾病および、けがの治療をおこなうこと。
厚生労働省通知による「医行為でない行為」は介護職員が行うことができる。

 

◆意識障害 【いしきしょうがい】
意識を失うなど、意識状態のレベルが低下していることを意識障害といい、生命の危険を示唆する場合がある。
意識レベルをしるには、呼びかけや叩くなどの刺激でどのような反応をするかで判断する。

 

◆異食 【いしょく】
認知症の周辺症状(BPSD)のひとつで、手に取るものを何でも食べてしまう行為。
なるべく周りには口に入るようなものを置かないことで防ぐ。

 

◆一包化 【いっぽうか】
医師から処方された薬を、薬剤師が、朝食後、睡眠前など、1回に服用するごとに自動分包器で1袋に入れて出してくれるもの。
介護職員は一包化された薬剤は服薬介助できる。

 

◆移動支援 【いどうしえん】
ガイドヘルプ。
外出、移動が困難な障害のあるひとに同行し、移動の支援をするサービス。

 

◆医薬品 【いやくひん】
薬事法で定められている薬。
病院で処方される医療用医薬品、店頭で買えるOTC薬(一般用医薬品)がある。

 

◆医薬部外品 【いやくぶがいひん】
薬事法で定められている医薬品に準ずるもの。
口臭防止スプレー、制汗スプレー、ベビーパウダー、育毛剤、入浴剤、一部のビタミン剤、蚊取りマットなど薬効成分が入っているもの。

 

◆医療保護施設 【いりょうほごしせつ】
生活保護法で、医療を必要とする生活に困窮する人に対し医療を行う施設。
都道府県市町村、社会福祉法人、日本赤十字社が設置する。

 

◆イレウス
腸閉塞(ちょうへいそく)のこと。
腸が、ねじれたり痙攣したりして、食塊がその部分より先に行けず詰まった状態。
生命に危険を及ぼす場合がある。

 

◆院外処方 【いんがいしょほう】
病院外の薬局で処方を行うこと。
病院内の薬局で薬をもらうことを院内処方という。
病院外の薬局ならどこでも処方箋を持っていけば、くするを調剤してくれる制度。

 

◆インスリン
膵臓のランゲルハンス島から分泌されるホルモンのひとつ。
糖新生を抑制し血糖値を下げる働きがある。
糖尿病の場合は、インスリンが不足したり、まったく出なかったりするので、注射や薬で補給する。

 

◆インスリン自己注射 【いんすりんじこちゅうしゃ】
糖尿病でインスリン療法をしている場合は、自分でインスリンを注射し、血糖値のコントロールをする。
見守りを含め、介護職員は介助できない。
インスリン注射は食事の前にするが、体調不良などで食欲のない場合には血糖測定をし、注射と十分な水分補給をして受診する。

 

◆インティーク
初回面接または受理面接ともいい、福祉の分野では相談者と援助者が行う最初の面談をいう。

 

◆インフルエンザ
インフルエンザウイルスの感染により急な高熱、節々の痛みのほか風邪に似た症状を示し、高齢者、子どもは重症化に注意しなければならない。
検査は20分ほどで結果がわかる。早期の抗ウイルス薬の服用が症状を和らげる。
予防にはワクチンが有効で、手洗いや部屋の加湿も効果がある。発熱後3?7日はウイルスを排出する。空気感染、飛沫感染(ひまつかんせん)するのでマスクを着用し、人にうつさないようにする配慮が必要。

 

◆運動療法【うんどうりょうほう】
糖尿病、高血圧、脂質異常症、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病で、病気のコントロールのために運動による健康の維持増進を図ること。
どの程度の運動をすればよいかは、そのときの病状によるので医師の指示に従う。

 

◆衛生的手洗い 【えいせいてきてあらい】
流水と石けんで、手のひら、手背、指の間、爪、親指、手首を洗う方法。
速乾性手指消毒剤を使用してもよい。
利用者がもつ感染症を、介護職員がほかの利用者などに広げないように心がける。

 

◆栄養機能食品 【えいようきのうしょくひん】
身体の健全な成長、発達、健康維持に必要なビタミン、ミネラルなどの栄養成分を補給する食品で、食生活において特定栄養成分の補給を目的として摂取する者に対して栄養成分の表示をするものと定義される。

 

◆栄養士 【えいようし】
都道府県知事の免許を受けて、学校、病院、事業所、保健施設、福祉施設などにおいて栄養指導をする者。

 

◆栄養指導 【えいようしどう】
給食施設での健康の増進を目的として、医師や管理栄養士が専門的な知識や技術を持ちて各疾患別、食種別に必要な指導や助言を行うこと。

 

◆栄養成分表示 【えいようせいぶんひょうじ】
食品の包装に義務づけられている、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム、カルシウムなどの栄養成分表示

 

◆壊死 【えし】
けが等による組織の挫滅(ざめつ)や、病気による血管の閉塞で血流が途絶えることでその先の組織が死んでしまうこと。

 

◆壊疽 【えそ】
脱疽(だっそ)ともいう。
組織に血がいかなくなり委縮・乾燥するものと、細菌感染で壊死したところが腐敗し、どんどん広がっていくものがある。
糖尿病の足病変のように、気づかないうちに壊疽が広がり切断しなければならないことがある。

 

◆エリクソン
Erik Homburger Erikson(1902-1994)。
1950年ごろに活躍したアメリカの心理学者。発達心理学として、誕生から死までの人間のライフサイクルを8段階に分類し、それぞれの時期での心理発達理論を提唱した。

 

◆嚥下 【えんげ】
口腔で咀嚼(そしゃく)した食べ物が咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)、食堂を通って胃まで運ばれる過程。

 

◆嚥下障害 【えんげしょうがい】
咀嚼機能障害(そしゃくきのうしょうがい)ともいう。脳卒中などの後遺症や認知症、加齢などで、咀嚼機能や嚥下反射がしょうがいされた状態。
むせや誤嚥(ごえん)が起こりやすくなる。

 

◆塩素系消毒液 【えんそけいしょうどくえき】
家庭用の塩素系漂白剤と同じ次亜塩素酸ナトリウムの溶液。
ノロウイルス、インフルエンザ、細菌などに強い殺菌力をもつ。
ゴーグル、ゴム手袋をし注意して使用する。強アルカリ性で、酸性の液体と混ぜると猛毒の塩素ガスを発生する。

 

◆塩素系漂白剤 【えんそけいひょうはくざい】
ほかの洗剤などと同時に使うと、猛毒の塩素ガスが発生し、吸い込むと死亡する危険があるため「まぜるな危険」と表示されている。
強い酸化力と殺菌力がある。主成分は次亜塩素系ナトリウム。消毒、漂白に使う。

 

◆延命治療 【えんめいちりょう】
治療をしても回復の見込めない患者に対して、人工呼吸や人工栄養をして声明を永らえる方法。

 

◆おくすり手帳 【おくすりてちょう】
複数の医療機関から、同じ薬効の薬を重複してもらったり、薬効が打ち消し合う薬をもらったりすることを防ぐために薬の履歴をまとめた手帳。
薬剤師が確認できるように、患者が一人一冊をもち、違う薬局で処方された薬を含め、処方されたすべての薬を記載することが望ましい。

 

◆オスメイト
大腸や膀胱(ぼうこう)の病気で、ストーマ(人工的な排泄口)を持つ人のこと。

 

◆オブラート
錠剤や粉薬を包んで飲みやすくする薄い半透明のような膜。
水に溶ける。薬の数が多い場合は、数個ずつオブラートに包んでまとめると、服薬しやすくなる。

 

◆オープンクエスチョン/クローズドクエスチョン
オープンクエスチョンは「○○に対してどう思いますか?」のようにさまざまな答えを引き出す質問法で、クローズドクエスチョンは「犬は好きですか?」など限られた答えを得るための質問法。
コミュニケーション障害のある人への質問法としては、クローズドクエスチョンが適している。

 

介護職員のための重要用語「か」行

重要用語「か行」

 

◆介護支援専門員 【かいごしえんせんもんいん】
ケアマネージャー。介護保険制度で介護を必要とする人がその人らしい生活ができるよう支援するコーディネーターの役割をする。
要介護者等のアセスメント、ケアプランの作成、サービス担当者会議の開催、各職種の連絡・調整、評価を行う。

 

◆介護福祉士 【かいごふくしし】
国家資格。高齢者、障害者の身の回りの援助だけでなく、その人らしい生活を実現するための相談援助なども行えるよう資質を向上することが求められている。

 

◆介護報酬 【かいごほうしゅう】
介護給付費。各種サービスに対する費用を厚生労働大臣の定める基準により算定したもの。
サービス提供事業者には、利用者の負担を1割除いた9割が支払われる。

 

◆介護保険審査会 【かいごほけんしんさかい】
被保険者代表、市町村代表、公益代表からなる第三者機関で、被保険者からの市町村の処分に対する不服申し立てを審議する。

 

◆介護予防 【かいごよぼう】
要支援の高齢者が増加傾向にあることから、要介護状態へ進むことを防ぎ、改善を図ること。
広く介護予防の知識を広めるための一次予防事業と要支援、要介護になるリスクの高い高齢者に対し、機能回復のための支援を行う二次予防事業がある。

 

◆疥癬 【かいせん】
ヒゼンダニが皮膚に寄生することで、かゆみや皮疹を生じる感染症。
皮膚の下に疥癬トンネルを掘って棲みつき、線状に皮疹ができる。免疫の低下している人は重症化して感染力の強いノルウェー疥癬となる。

 

◆海馬 【かいば】
大脳にある記憶などを司る部位。
アルツハイマー病やうつで委縮する。

 

◆化学療法 【かがくりょうほう】
がんや結核などの薬物療法をいう。
複数の薬を組み合わせることもある(多剤併用)。抗がん剤は副作用が強く、嘔気(おうき)や脱毛などを起こすことがある。

 

◆喀痰 【かくたん】
痰を吐く(喀出(かくしゅつ)する)こと、または吐いた痰のこと。
病気の兆候として、痰に血が混ざったり(血痰)、量が多くなったりする。痰がからむとゼロゼロという音がする。
痰を喀出しやすくするためには水分の摂取を促す。

 

◆陰干し 【かげぼし】
直接日光に当てず、乾燥さること。紫外線による変色や痛みを避ける方法。

 

◆過呼吸(過換気)発作 【かこきゅう(かんかき)ほっさ】
精神的な原因で呼吸が多くなり(過呼吸)、血中の二酸化炭素が減り血液がアルカリ性になる(アルカローシス)ことで、しびれやめまいを引き起こす。
対処法として知られていた紙袋を口に当てて呼吸することは、勧められなくなってきている。

 

◆カタルシス
本来は抑圧された感情を解き放つ治療法を指していたが、最近では、面接やレクリエーション治療、遊戯、芸術的創作など緊張発散効果のある行為をよぶようになった。

 

◆合併症 【がっぺいしょう】
ある病気が別の病気を引き起こすこと。糖尿病の三大合併症など。

 

◆家庭血圧測定 【かていけつあつそくてい】
正確な家庭血圧計を用い毎日、定期的に血圧を自己測定すること。
白衣高血圧による不必要な降圧剤治療を避けることや、診察室での血圧が正常でも日常の血圧が高い仮面高血圧を見逃さないようにするために行う。
起床後一時間以内、排尿して朝食・服薬前と、就寝前のいづれも安定時に測定する。
日本高血圧学科では家庭血圧が135/85mmHg以上を高血圧としている。

 

◆カフ
空気が入る袋(バルーン)状の医療用具。
人工呼吸器の気管切開チューブのせ単についていて、誤嚥(ごえん)や空気漏れを防ぐ。

 

◆仮面様顔貌 【かめんようがんぼう】
パーキンソン病や顔面神経麻痺などでみられる仮面のように無表情な状態。
顔面の筋肉が固まって動かないために起こる。

 

◆加齢黄斑変性症 【かれいおうはんへんせいしょう】
加齢に伴って、眼底にある視力に関係する黄斑部分に異常が生じ、視力が低下していく疾患。

 

◆カロテン
カロチンとも呼ばれるカルテノイド色素で、ニンジン、オレンジ、カボチャなどに含まれる。ビタミンAの前駆体で、小腸や肝臓の酵素反応によりビタミンAとなり、皮膚や粘膜組織の損傷を防ぐ働きを持つ。

 

◆肝炎 【かんえん】
A型、B型、C型などウイルスによる肝炎、アルコール性肝炎などがある。
A型は経口感染、B型、C型は血液感染。
利用者の血液がついたものは感染のおそれがるものとして扱う。

 

◆寛解 【かんかい】
病気の進行の過程で、発病し急速に悪化した状態より症状が落ち着いてきたり、症状がなくなった状態。
治癒に向かう場合もあるが、再発する可能性もある。白血病などは、寛解と再発を繰り返すことがある。

 

◆眼球 【がんきゅう】
資格を司る感覚器。
表面から、角膜(かくまく)、虹彩(こうさい)、水晶体、硝子体(しょうしたい)、網膜(もうまく)などからなり、視神経に続く。

 

◆間歇性跛行 【かんけつせいはこう】
閉館性動脈硬化症「のために起こる歩行障害。
足が痛くて歩けなくなるが、しばらく休むと回復しまた歩けるようになるのが特徴。

 

◆感情鈍麻 【かんじょうどんま】
感情の起伏がなく、悲しい場面や楽しい場面でも正常な感情反応の出ない状態。 
統合失調症の陰性症状、うつ病、パーキンソン病などでみられる。

 

◆眼振 【がんしん】
意思とは関係なく眼球がふるえること。動いている電車から外を見ているとき、眼球が左右に振れているのを鉄道眼振という。
病気では、弱視を伴う先天性のもの、内耳の障害によるものなどがある。

 

◆感染経路 【かんせんけいろ】
病原体をもつ人から他の人へ病原体が伝わっていく経路。

  • 接触感染

  • 飛沫(ひまつ)汗腺

  • 空気感染

  • 媒介物感染

  • 媒介動物感染

がある。

 

◆肝臓 【かんぞう】
右上腹部にある消化器のひとつ。
からだの化学工場といわれ、血液中の糖をグリコーゲンに変え、有毒物質を分解し、胆汁(たんじゅう)を作る。「沈黙の臓器」ともいわれ、障害があったも自覚症状がほとんどない。
再生能力が強く、切除しても残りが再生する。

 

◆浣腸 【かんちょう】
便秘の解消や腸内容の確認のために、肛門から直腸、結腸に液体を入れること。

 

◆陥入爪 【かんにゅうそう】
巻き爪のこと。爪の両側が皮膚に食い込んだようになる。

 

◆管理栄養士 【かんりえいしょうし】
国家資格。厚生労働大臣の免許を受けて、食事を継続的に提供する施設での栄養指導・管理や、医療施設における傷病患者への栄養指導・医療を伴う給食の管理などを行う。

 

◆灌流 【かんりゅう】
体内の循環で、血流やリンパ液が抹消にまで行きわたること。
または、液体を流し込むこと。血管を通して薬剤を標的となる臓器に運んだり、臓器に灌流液という液体を流し込んで洗浄したりする。

 

◆緩和ケア 【かんわけあ】
終末期の患者などに対して延命よりも苦痛の軽減を重視して、QOLの維持・改善をめざす医療。
ターミナルケアやホスピスケアともよばれる。

 

◆気管支拡張症 【きかんしかくちょうしょう】
気管支の壁の障害により、慢性的に気管支が拡張してしまう状態。
咳(せき)、痰(たん)、血痰(けったん)などがみられ、進行すると全身的に障害が発生する。

 

◆気管切開 【きかんせっかい】
鼻や口からの呼吸ができなくなった人に、人工呼吸器を取り付けるためにのどに孔をあけること。
声帯に空気が通らないので声がでなくなるが、スピーチカニューレを用いることで話ができるようになる。痰(たん)の吸引は、研修を受けた介護福祉士、介護職員等ができる行為。

 

◆気胸 【ききょう】
肺胞の一部が袋状になりそれがやぶれて、肺側の胸膜に穴があいて肺の空気が抜けてしまった状態。
胸痛や息苦しさが起こる。やせた若い男性に多い。

 

◆きざみ食 【きざみしょく】
高齢者など噛み砕く力が弱くなった人のために、食物を細かく切って食べやすくしたもの。
ミキサー食と比べ、食べる人にとっては形が変わっても何を食べているかがわかる利点がある。

 

◆義歯 【ぎし】
入れ歯。
食事を口から食べるために、義歯がぴったり合っていることが重要になる。夜は外して水の中に保管し乾燥を防ぐ。
清掃の際は落として破損しないように洗面器などの上で洗う。

 

◆義肢装具士 【ぎしそうぐし】
国家資格。手や足の一部を失った人のために義手、義足や、機能障害を補うための装具を製作し、その人に合ったものに仕上げる仕事を行う。

 

◆基礎年金制度 【きそねんきんせいど】
国民年金を基礎とし、その上に、厚生年金、共済年金、国民年金基金、その上に厚生年金基金、確定給付企業年金などが上乗せさせられている制度。

 

◆気道 【きどう】
呼吸器の空気の通り道。鼻、鼻腔(びくう)、口腔(こうくう)、咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)を上気道(じょうきどう)、気管、気管支を下気道という。
風邪は上気道感染。肺炎は下気道感染。

 

◆キーパーソン
医療や介護の場では看護や支援の中心となり、本人の代わりに決定力をもつ人のこと。
主に本人の家族や保護者があたる。

 

◆逆性石けん 【ぎゃくせいせっけん】
塩化ベンザルコニウムや塩化ベンゼトニウムなどの殺菌剤。
普通の石けんとは逆のプラスイオンに帯電することから逆性石けんとよばれる。
洗浄力はなく、ウイルスには効かない。

 

◆救急救命士 【きゅうきゅうきゅうめいし】
国家資格。医師の指示のもと救急救命処置を行う。救急車で傷病者を搬送する間、静脈確保、気道確保、アドレナリン投与などが行える。

 

◆救護施設 【きゅうごしせつ】
身体・精神の障害をもち生活に困窮(こんきゅう)する人の日常生活を扶助する生活法語法に基づく施設。
日常生活支援、リハビリテーション、就労支援、通所事業などを行う。

 

◆吸入薬 【きゅうにゅうやく】
ネブライザーなどの機器を使って口や鼻から吸い込む薬。
喘息(ぜんそく)、肺疾患、鼻疾患などの薬がある。

 

◆行事食 【ぎょうじしょく】
四季折々の伝統行事や誕生日などの際に食べる食事をいう。
旬の食材を使った料理や好物を取り入れるなどの工夫をこらしたもの。

 

◆狭心症 【きょうしんしょう】
心臓自体に酸素を供給する冠動脈(かんどうみゃく)が、何らかの原因で細くなった状態。
胸痛が出現し、数分で消失する。放置すると心筋梗塞へ進行する可能性がある。

 

◆胸水 【きょうすい】
肺を包む2枚の膜の間(胸腔(きょうくう))に存在する摩擦を減らすための液体。
その量が炎症などで異常に増えてたまったものを胸水貯留という。

 

◆共同運動 【きょうどううんどう】
脳卒中(のうそっちゅう)の後遺症で、ひとつの動作をしようと思うと、それにつられ、その動作に必要のない動きが出てきて目的の動作の邪魔をすること。

 

◆強迫 【きょうはく】
精神疾患のひとつ。自分ではおかしいとわかっていてる考えや行動を繰り返してしまうこと。
手を何度も洗わずにはいられない潔癖症やガスの元栓を何度も確認してしまう行為などがある。

 

◆菌交代症 【きんこうたいしょう】
腸内細菌をはじめ、体内には何も病気がないときでもたくさんの種類の最近が数のバランスを保って棲みついている。
抗生物質を投与することにより、このバランスが崩れ、ある種類の最近が異常に増え、病気を引き起こすこと。

 

◆金銭管理 【きんせんかんり】
利用者に対する日常生活活動の観察ポイントのひとつ。
認知症や障害などのために金銭管理が困難になった人に代わり、福祉サービス利用援助事業として金銭管理をする事業もあり、利用者が増えている。

 

◆口すぼめ呼吸 【くちすぼめこきゅう】
口をすぼめて長くゆっくり息を吐く(呼気)ことで、呼吸の効率を上げる方法。
COPDの人のリハビリテーションによい。

 

◆区分変更 【くぶんへんこう】
要介護・要支援状態の区分の変更の認定を市町村に申請すること。
認定の有効期間前に、要介護・要支援の状況が変化した場合に変更できる。

 

◆くも膜 【くもまく】
脳脊髄(せきずい)は、髄膜(ずいまく)(硬膜、くも膜、軟膜)という3枚の膜に覆われているが、くも膜は、硬膜と軟膜の間にある膜。

 

◆クリティカルパス (クリニカルパス)
入院から退院までの治療スケジュール。検査、処置、リハビリテーションなどの予定が書かれ患者と共有される。

 

◆グループホーム
認知症対応型共同生活介護。
認知症の人が少人数で共同生活を行うことにより、認知症の進行を遅らせることを目的とした施設。

 

◆クロックポジション
視覚障害者に対して物の位置を知らせる方法。
時計の文字盤に例えて、主催は何時の位置、副菜は何時、のように伝えることにより、視覚障害者の自力での食事を可能にする。

 

◆ケアカンファレンス
利用者に関わるケアサービス担当者と利用者・家族が参加して居宅サービス計画の内容を検討する会議のこと。サービス担当者会議ともいう。

 

◆ケアプラン
居宅サービス計画。介護支援専門員(ケアマネージャー)が、要介護・要支援者の生活課題を解決するために作成する計画。

 

◆経口電解質補正液 【けいこうでんかいしつほせいえき】
脱水などで体内の水分、ナトリウム、カリウムなどの電解質のバランスが崩れているときに、口から飲むことで補正することができる。
マグネシウムやリンなども入っていることがスポーツドリンクとの違いである。とろみがついているものもあり、高齢者には飲みやすい。

 

◆経口補水液 【けいこうほすいえき】
水に食塩とぶどう糖を溶かした電解質溶解液で、脱水状態を予防・改善する治療にも使われる。
略称はORS。

 

◆傾聴 【けいちょう】
カウンセリングやコーチングにおけるコミュニケーション技術のひとつ。
ただ聞くのではなく、相手に共感しつつ、話をさえぎることなく聴くこと。

 

◆汗腺 【かんせん】
皮膚にある汗を出す器官。全身の皮膚に分節、体温を調節するエクリ腺と、腋窩(えきか)、陰部などにあるアポクリン腺がある。

 

◆経皮内視鏡的胃瘻造設術 【けいひないしきょうてきいろうぞうせつじゅつ】
誤嚥(ごえん)性肺炎の危険などから口から食べることができない人に、腹部に孔をあけ胃にチューブを通してそこから栄養剤を注入する栄養補給方法。
注入時には上体を起こす姿勢が望ましい。略称はPEG。

 

◆軽費老人ホーム 【けいひろうじんほーむ】
老人福祉施設の一つ。有料老人ホームより利用費が安いことから軽費という。A型、B型、ケアハウスがある。

 

◆契約締結審査会 【けいやくていけつしんさかい】
日常生活j率支援事業で、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者などで判断能力が不十分な人が福祉サービスを利用する際に、契約内容や本人の判断能力などの確認を行う。

 

◆下血 【げけつ】
消化器官での出血が肛門から排出されるもの。胃や十二指腸での出血は消化液により変色してタール便となる。大腸からの出血は赤みがある。

 

◆血圧 【けつあつ】
血液が血管にかける圧力。血圧が高いほど、血流の勢いがよく、血管を傷つける可能性がある。傷ついた血管は動脈硬化になりやすい。

 

◆血圧凝固検査 【けつあつぎょうこけんさ】
血が固まりにくくないか、出血しやすい傾向にないかを知るために、耳たぶを小さく傷つけ出血させる検査や、採血して血液を凝固させる成分を調べる検査などがある。

 

◆結核 【けっかく】
結核菌による感染症。肺結核だけでなく、腎臓、腸、喉頭(こうとう)、皮膚結核などさまざまな臓器の結核がある。
脊椎(せきつい)カリエスは骨に発症した結核。かつては国民病といわれていたが、ストレプトマイシンの普及により激減した。近年、再興感染症として警戒される。

 

◆血漿 【けっしょう】
血液から血球(赤血球、白血球、血小板)を除いた液体成分で、血液の約半分を占める。採取した血液に抗凝固剤を入れ、遠心分離させることで、上澄みとなり採取できる。

 

◆結腸 【けっちょう】
大腸のうち、盲腸と直腸を除いた部分。大腸は口側から、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸となり、肛門となる。
おなかの右から”の”の字形になっている。

 

◆健康の定義 【けんこうのていぎ】
WHOによって、「健康とは、完全に、身体的、精神的および社会的によい(安寧な)状態であることを意味し、単に病気でないとか、虚弱でないということではない」と定義されている。

 

◆言語聴覚士 【げんごちょうかくし】
国家資格。障害で言葉を失った人や言葉の発達の遅れがみられる子どもなどのコミュニケーション能力の回復、開発を支援する職種。
また、嚥下障害(えんげしょうがい)にも対応する。略称はST。

 

◆見当識障害 【けんとうしきしょうがい】
失見当識。見当識とは、自分がいまいる場所、時間、状況の認識。それらが失われてしまい混乱している状態を失見当識、見当識障害という。
認知症や脳卒中(のうそっちゅう)などでみられる。

 

◆降圧剤 【こうあつざい】
血液を下げる薬。カルシウム拮抗剤、利尿剤などがある。自分の判断で勝手に服用をやめたりすると、急に血圧が上がる危険があるので、医師の指示通りに服用することが大切。

 

◆交感神経系 【こうかんしんけいけい】
副交感神経とともに自律神経を構成する末梢神経でからだ中に分布する。交感神経が興奮すると血圧が上昇し、心拍数が増加する。

 

◆口腔ケア【こうくうけあ】
口腔内を清潔に保つために、うがいや歯磨き、義歯の手入れを行うこと。
うがいにより食物の残滓(ざんし)を出すことができ、歯ブラシで歯の表面のほか、歯間、上あご、下をやさしくブラッシングすることで虫歯や歯周病を防ぐことができる。口や舌を動かすことで嚥下(えんげ)機能の低下を防ぐケアも指す。

 

◆高血圧(症)【こうけつあつ(しょう)】
収縮期圧140mmHg以上、また拡張期血圧90mmHg以上をいう。
血圧が高いと、血管を流れる血流の勢いgああるので、血管が枝分かれしているところなどに傷をつくりやすく、それが動脈硬化の原因になる。

 

◆抗原 【こうげん】
体内に入った異物のうち、抗体をつくり免疫反応を引き起こす物質。免疫反応で遺物は体外に排出される。アレルギーは特定の抗原に対して過剰な免疫反応を起こすこと。

 

◆膠原病 【こうげんびょう】
リウマチ熱、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの総称。それらの疾患では、膠原繊維がおなじような変化を示す。

 

◆高次機能機能障害 【こうじきのうしょうがい】
頭部外傷や脳卒中(のうそっちゅう)などで言語、認知、行為、知的能力など高次の脳機能(高次脳という脳があるわけではない)にダメージを受けると、記憶障害、注意障がい、遂行機能障害、行動障害が現れる。
一見すると障害のない人と同じような印象を受けるが、集中力がなくなった、記憶ができない、突然怒り出すなど仕事や生活に支障をきたす。

 

◆更年期障害 【こうねんきしょうがい】
閉経をはさむ前後10年間に、女性ホルモンの変化で起こる。
突然熱くなるホットフラッシュ、めまい、耳鳴り、動悸、血圧の変動、舌痛など自律神経失調症から、うつなどの精神症状まで、人によって症状や、その程度はさまざま。

 

◆硬膜 【こうまく】
脳脊髄(のうせきずい)は、表皮の下に頭蓋骨、脊椎骨(せきついこつ)に保護され、髄膜(ずいまく)(硬膜、くも膜、軟膜の3枚の膜からなる)に覆われているが、硬膜はその一番外側の膜。
くも膜は、硬膜と軟膜の間にある膜。

 

◆高齢化率 【こうれいかりつ】
総人口に占める65歳以上の割合。
社会の高齢化の進み具合を見る。日本では、少子化も進んでいることから、2013年には25.1%で4人に1人、2035年には33.4%で3人に1人が高齢者となる。

 

◆高齢化社会 【これいかしゃかい】
高齢化率が14%を超える社会。21%を超えると超高齢化社会となる。日本では1994年位高齢化社会(高齢化率7%)から高齢化社会になった。
少子化も進んでいることから社会保障制度崩壊の危機も呼ばれる。

 

◆高齢者虐待防止法【こうれいしゃぎゃくたいぼうしほう】
「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のこと。養護者(家族など)だけでなく、介護施設従事者などによる高齢者の虐待を防ぐための法律。

 

◆誤嚥 【ごえん】
むせや咳で食道に入るべき食べ物、唾液などが誤って機関に嚥下(えんげ)されてしまうこと。
誤嚥性肺炎の原因になる。一度胃に入ったものが逆流して気管に入ることがある。食事の際と食後しばらくは上体を起こしておくことが予防になる。

 

◆呼吸の測定【こきゅうのそくてい】
バイタルサイン(生きている兆候のこと)のひとつ。
呼吸数は意識して変えられるので、利用者に測定していることを意識させないように、正確に1分間の呼吸数を数える。

 

◆骨格筋 【こっかくきん】
運動、姿勢の保持、内臓の保護などの動きをする。横に筋が入ったように見えるので、横紋筋ともいう。
細かい筋線維がまとまって束になり、筋膜に覆われ、腱で骨につく。

 

◆骨代謝 【こつたいしゃ】
骨はカルシウムの貯蔵庫だが、そのカルシウムが破骨細胞により体内に放出されると骨吸収と、骨がつくられる骨形成が常に行われて新陳代謝している。

 

◆個別支援計画書 【こべつしえんけいかくしょ】
利用者が抱える課題を明確化したのち、課題解決のために作成する計画書のこと。
利用者の希望を尊重しながら介護の到達目標、具体的な介護内容、実施方法を盛り込む

 

◆コレステロール
細胞膜を構成したり、ステロイドホルモン、胆汁酸の生合成の材料となるもの。
人ではほとんどが体内で作られている。食品から取り入れられたコレステロールを血管内に運ぶものを悪玉コレステロール(LDL)といい、中性脂肪をとりすぎると血管にLDLコレステロールが付着して動脈硬化の一因となる。
コレステロールを輩出して動脈硬化を防ぐコレステロールを善玉コレステロール(HLD)という。

 

◆コンプライアンス
医療においては、医師の指示を守って服薬すること。
最近は、患者も治療に同意し、意思決定をしているという意味からアドヒアランスという用語が使われる。
一般的には、法令、条例、通達および法人が定める規則などを守り、社会人および企業として求められる倫理・社会規範を全うすること。

 

介護職員のための重要用語「さ」行

重要用語「さ行」

 

◆剤形 【ざいけい】
薬の製造工程では、薬効成分を用途によって投与しやすい形にする。錠剤、散剤、液剤、注射剤、カプセル、座剤、軟膏などがある。

 

◆在宅自己導尿の介助 【ざいたくじこどうにょうのかいじょ】
自己導尿とは自力で排尿できない人が尿道口にカテーテルを入れて定期的に排尿すること。
介護者の介助はカテーテルの準備、導尿時の大尉の保持をする。

 

◆在宅人工呼吸療法 【ざいたくじんこうこきゅうりょうほう】
呼吸器に障害があったり、神経疾患のために呼吸しにくくなった人が自宅にて人工呼吸器を使用して呼吸を確保すること。
期間を切開する方法と気管にチューブを挿管する方法、非侵襲的(ひしんしゅうてき)なマスクを使う方法がある。

 

◆在宅成分栄養経管栄養法【ざいたくしぶんえいようけいかんえいようほう】
腸管は正常でも嚥下障害(えんげしょうがい)などで経口的に栄養を摂取できない人に対して、栄養成分を配合した流動食を鼻や遺漏(いろう)の管から摂取させること。

 

◆在宅中心静脈栄養法【ざいたくちゅうしんじょうみゃくえいようほう】
経口的に栄養をとれない人に対して、生命維持に必要な栄養素を配合した高カロリー輸液を、上大静脈に留置したカテーテルを通して入れること。

 

◆作業療法士【さぎょうりょうほうし】
国家資格。身体や精神に障害がある人に対して、日常生活動作の再獲得や社会復帰に向けて、その人に合った作業を通して訓練を援助する職種。
略称はOT。

 

◆差し込み便器【さしこみべんき】
尿・便意を感じることのできるねたきりの人に使用する便器。ゴム製、プラスチック製、ステンレス製など。厚みもいろいろある。

 

◆サービス担当者会議【さーびすたんとうしゃかいぎ】
ケアカンファレンスともいう。
利用者の介護に関係する介護支援専門員(ケアマネージャー)とサービス担当者、利用者・家族が参加して、居宅サービス計画の内容や利用者の状況を確認し、今後のサービスについて話し合うこと。

 

◆サービス提供責任者【さーびすていきょうせきにんしゃ】
訪問介護事業所などで訪問介護職員を統括する責任者をいう。

 

◆サルモネラ中毒【さるもねらちゅうどく】
サルモネラ菌による食中毒。
腹痛、嘔吐(おうと)、下痢が主な症状。体力のない人は重症になることがある。鶏肉、卵を介しての感染が多く、ペットや感染者の糞便から感染することもある。

 

◆3-3-9度方式 【さんさんくどほうしき】
意識障害の程度を測る尺度。
ジャパン・コーマ・スケール(JCS)の別称。コーマは昏睡のこと。Ⅰ~Ⅲ段階、それぞれ3項目で判断することから、3-3-9度と呼ばれる。

 

◆酸素供給器 【さんそきょうきゅうき】
在宅酸素療法(HOT)で使用さえる酸素を供給する機器。
酸素の供給源としては、酸素濃縮器、液体酸素装置、酸素ボンベの3種類がある。

 

◆酸素飽和度【さんそほうわど】
動脈血のなかに酸素がどれくらい含まれているかを示す値(SpO2)。
呼吸器に疾患をもつ人には、重要な意味を持つ。パルスオキシメーターで測ることができる。

 

◆酸素ボンベ【さんそぼんべ】
在宅酸素療法(HOT)で、酸素の供給源として使用する。携帯用として使われることが多くなってきている。残量の確認、下記に注意する。
災害時も供給業者が対応するが、予備の酸素ボンベを用意しておく。

 

◆残尿感【ざんにょうかん】
尿が出きらず、まだしたい感じがすること。前立腺肥大、膀胱炎(ぼうこうえん)、神経因性膀胱、尿路の病気の症状の可能性がある。

 

◆残便感【ざんべんかん】
排便してもまだ肛門に便が残っているような感じがすること。腸の病気や便秘の状態で起こる。浣腸や摘便も必要となることがある。

 

◆ジェネリック医薬品【じぇねりっくいやくひん】
後発医薬品。
最初に開発された薬ではなく、同じ成分で後から製造・発売された薬。薬の開発には莫大な資金が必要だが、後発医薬品はその費用がいらないため、販売価格を安くできる。

 

◆時間毎薬【じかんごとやく】
体内の薬の血中濃度を一定に保つために、6時間毎、8時間毎など決められた時間の感覚で飲む薬のこと。
抗生物質などに多い。飲み忘れたときのことを薬剤師に確認しておくとよい。

 

◆支給基準限度額【しきゅうきじゅんげんどがく】
介護保険の被保険者が可能な限り公平に介護サービスを利用できるように設定された限度額。
福祉用具購入費、住宅改修、区分支給限度基準額、種類支給限度基準額がある。

 

◆糸球体(しきゅうたい)
腎臓の腎小体(ネフロン)をつくる糸球(いとだま)のように丸まった毛細血管。ボーマン嚢(のう)に包まれている。
糸球体の毛細血管には穴があいていてたんぱくと細胞以外の水溶液を振るい落として原尿にする。大きさは0.2mmで、腎臓一つの中に150万個ある。

 

◆耳垢の除去【じこうのじょきょ】
介護職員ができる「医療行為でない行為」。耳垢は自然と排出されるが、たまると耳が詰まった感じがしたり音が聞き取りにくくなるため耳かきや綿棒でやさしく除去する。
固い耳垢は出血の恐れがあるので耳鼻科で除去してもらうこと。

 

◆支持基底面【しじきていめん】
からだが床に接している部分が作る面積。足と足の間の幅が広く重心が低いほど、支持基底面が広い。
ボディメカニクスの原則では支持基底面が広いほど安定する。

 

◆脂質異常症(高脂血症)【ししついじょうしょう(こうしけっしょう)】
メタボリックシンドロームのひとつ。
以前は、高脂血症と言われていたが、LDLコレステロールと中性脂肪の増加に加え、HDLコレステロールの低下が問題であることがわかり、血液中の脂肪成分が以上であることを示す脂質異常症とよばれるようになった。

 

◆歯周疾患/歯周病【ししゅうしっかん/ししゅうびょう】
歯肉や歯槽骨などに炎症を起こしている状態。
口臭や歯肉からの出血、歯が抜けるなどのほか、心内膜炎や糖尿病など全身に影響するので、治療が大切。

 

◆自傷行為【じしょうこうい】
認知症の周辺症状(BPSD)の一つで、自分のからだを傷つけること。
なぜそういう行為をしているのかを理解することが解消につながる。

 

◆舌歯ブラシ【したはぶらし】
舌苔(ぜったい)など舌表面の汚れを取るためのブラシ。
寝ている間に舌苔がたまるので、朝に掃除をするのが効果的。頻繁に行うと舌を傷つけるので1日1回程度にする。

 

◆シックビル症候群【しっくびるしょうこうぐん】
シックハウス症候群ともいう。
建物のなかにいることで、めまい、頭痛、咳(せき)、のどの痛みが起こる。建材に含まれる化学物質などが原因となる。

 

◆失認【しつにん】
目で見てなんだかわからないが、触れればわかるなど、ある感覚ではものを認識できないことをいう。
人の顔がわからない、ものの名前がいえないなどさまざま。脳卒中(のうそっちゅう)後遺症では、左半側虫、左側身体失認等がある。

 

◆社会福祉基礎構造改革【しゃかいふくしきそこうぞうかいかく】
変化する福祉需要にたいおうするために行われる改革。
社会福祉の量の拡大、社会福祉の質の向上、福祉援助を受ける立場の人の権利確保が基本理念である。

 

◆社会福祉士【しゃかいふくしし】
国家資格。社会福祉の専門職。身体、精神または環境上の理由により日常生活に支障が出た場合の助言、指導、援助を行う。

 

◆社会福祉士及び介護福祉法【しゃかいふくししおよびかいごふくしほう】
社会福祉士および介護福祉士の資格、業務、役割を定め、質の向上を図ることによって福祉の推進をめざすことを定めた法律。

 

◆社会福祉法【しゃかいふくしほう】
福祉サービス利用者の利益の保護と地域福祉の推進を目的に、社会福祉の理念や原則、社会福祉事業に共通する基本事項を定めた法律。
社会福祉事業法を改正・改称して2000年に公布。

 

◆社会保険方式【しゃかいほけんほうしき】
年金制度で、被保険者が保険料を出し、それに応じた年金給付を受ける制度。
これに対し、全額を税金で賄うことを税方式という。

 

◆若年性認知症【じゃくねんせいにんちしょう】
特定疾患。65歳未満で発症する認知症。脳血管性、アルツハイマー型、レビー小体型、前頭側頭型など、65歳以上の認知症と同じ原因で起こるが、若いだけに社会的な影響も問題となる。

 

◆視野欠損【しやけっそん】
視野が部分的にかけた状態。
加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)や緑内障などの目の病気や、眼や脳の血管が詰まることが原因となる。

 

◆遮光保存【しゃこうほぞん】
光により薬の成分が変化するため、光に当たらないように保存すること。
遮光保存の必要のある薬は、目薬などに多い。

 

◆シャント
通常とは異なるルートを通る血流の状態。一般的に人工透析で十分な血液量を得るために動脈と静脈をつなぎ合わせることを指す。
皮膚の下でつなぐ内シャントと皮膚の外でつなぐ外シャントがある。

 

◆粥腫【じゅくしゅ】
プラークともいう。アテローム性動脈硬化で、血管の傷ついたところにアテロームがたまり、粥状のかたまりができる。

 

◆縮瞳 【しゅくどう】
瞳孔が小さくなった状態。明るいところでは、猫の目のように瞳孔は小さくなるが、病気によるもの、縮瞳薬によるものがある。

 

◆守秘義務【しゅひぎむ】
業務上知りえた情報を理由なく漏らしてはいけないという義務のことで、公務員のほか、医療関係、福祉関係者に対して義務づけられている。

 

◆受容【じゅよう】
介護者でいう場合は利用者のいうことを評価せずにすべて受け入れること。
患者でいう場合は自分にふりかかった死や障害などを運命として受け入れること。
スイスの精神科医キューブラ・ロスによれば、死の受容には、①拒否、②怒り、③取引、④抑うつ、⑤受容の段階があるといわれている。

 

◆腫瘍マーカー【しゅようまーかー】
血液を採取して、がんが産生する物質が血液のなかにいないかを調べる検査。それぞれのがんにより物質の種類は違う。
がんの有無が完全にわかるわけではないが、がんがわかっている場合は進行具合や再発の指標となる。

 

◆循環器系【じゅんかんきけい】
体内で、酸素、二酸化炭素、ホルモン、栄養、老廃物、リンパ液などを運搬する心臓、血管、リンパ系をいう。

 

◆准看護師【じゅんかんごし】
生看護師が国家資格なのに対し、都道府県知事により免許が交付され、医師、歯科医師、看護師の指示により看護を行う資格。

 

◆消炎鎮痛剤【しょうえんちんつうざい】
炎症を鎮めて痛みを取る薬。
解熱鎮痛薬ともいう。ピリン系、非ピリン系、非ステロイド系などの種類がある。坐薬は速やかに鎮痛が図れる。

 

◆障害者自立支援法【しょうがいしゃじりつしえんほう】
障害者の地域生活と就労を進め自立を支援する観点から成立した。
それまで、身体障害、知的障害、精神障害に分かれていた福祉サービスを一元化し、市町村が行うこととした。
地域生活支援事業、サービスの整備のための計画の作成、費用の負担などを定めた。

 

◆消化管【しょうかかん】
口から肛門までの管。口から摂取した食べものを消化し、栄養素や水分を吸収し、便を形成して排便をコントロールする臓器。

 

◆消化酵素 【しょうかこうそ】
消化を助ける物質。唾液、胃液、膵液、腸液に含まれる。炭水化物分解酵素、たんぱく質分解酵素、脂肪分解酵素がある。

 

◆上気道 【じょうきどう】
喉頭(こうとう)より上の気道。鼻、咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)。
風邪は上気道感染症。

 

◆常在菌【じょうざいきん】
人体や環境に生息している微生物。普段は人と共存しているが、何かのきっかけで病気を引き起こすことがある。

 

◆小腸【しょうちょう】
口側から、十二指腸、空腸、回腸となり、盲腸のところで大腸とつながっている。
内側はひだの上に絨毛(じゅうもう)が存在し、延べ面積にするとテニスコート一面分といわれ、栄養の吸収に役立つ

 

◆視能訓練士【しのうくんれんし】
国家資格。眼科で検査や視力が低下した人のリハビリテーションをしたり、補助具のアドバイスをする。略称はORT.。

 

◆市販薬【しはんやく】
医薬品のうち、一般医薬品、OTC薬。処方薬に対して、薬局で買える薬。
処方薬に比べて薬効が低いことから、副作用が少ない。

 

◆社会参加支援施設【しゃかいさんかしえんしせつ】
身体障害者社会参加支援施設。居宅に近い環境で、身体障害者の自立と社会参加を促進することが目的。

 

◆社会資源【しゃかいしげん】
福祉のために使用するさまざまな制度やサービス。医療機器など物的資源、ボランティアなど人的資源を含む。

 

◆社会福祉協議会【しゃかいふくしきょうぎかい】
地域福祉を推進することが目的の社会福祉法人。市町村の基本単位とする。

 

◆就寝前薬【しゅうしんぜんやく】
眠前と書かれることがある。睡眠薬は、寝る前に飲むことで効果を発揮する。

 

◆重積発作【じゅうせきほっさ】
発作が何度も重なって起こり、重篤な状態。てんかん、喘息(ぜんそく)などのときに起こることがある。

 

◆揉捻法【じゅうねんほう】
マッサージをするときに、手を使ってもむこと。

 

◆羞明【しゅうめい】
光を異様にまぶしく感じ、目に痛みを生じる状態。角膜炎、白内障など目の病気であることが多い。

 

◆消費期限【しょうひきげん】
保存がきかない生菓子や弁当に記載されているもので、表示された保存法で保存した場合に食べても安全な期限を言う。

 

◆静脈注射【じょうみゃくちゅうしゃ】
薬剤を静脈に注入することで、消化器を介さずに体内に入れることができる。点滴も静脈注射。

 

◆静脈瘤【じょうみゃくりゅう】
静脈の血管にはところどころに弁があるが、その弁が壊れてしまったり、血液の量が増えたことで起こる静脈のこぶ。
肥満、立ち仕事の人がなることが多い。

 

◆食塩摂取量【しょくえんせっしゅりょう】
1日に摂取する食塩の量をいう。日本人の1日の食塩摂取量は欧米と比べて高く11~12gといわれているが、2010年版「日本人の食事摂取基準」では男性9g、女性7.5gと設定された。
高血圧治療のためには6gが目標値となっている。

 

◆食事療法【しょくじりょうほう】
高血圧や糖尿病患者が塩分制限やカロリー制限した食事をとることが症状の悪化を防ぎ、治療や予防になるもの。

 

◆食前薬【しょくぜんやく】
漢方薬など、胃を荒らす副作用が少なく、胃に食物がないので早く吸収されることをねらって食前に飲む薬。

 

◆褥瘡予防具【じょくそうよぼうぐ】
エアマット、ビーズパット、クッションなど体圧を分散させる用具。ベッド上で使うものと、車いすで使うものがある。
寝返りの打てる人では、あまりやわらかいマットにすると、自力で寝返りを防げるので、選ぶときに考慮する。

 

◆食直前薬【しょくちょくぜんやく】
食事の直前に服用する薬。糖尿病の薬で、商品名グルコバイ、ベイスン、セイブルなどは、食後の過血糖を抑える目的で食直前に服用する。

 

◆食品交換表【しょくひんこうかんひょう】
糖尿病、腎臓病の患者が医師の指示に合った食生活の自己管理ができるよう、栄養価の同じ食品を別な食品に交換できるように工夫してある。

 

◆食品添加物【しょくひんてんかぶつ】
食品の変質・腐敗防止(保存料・酸化防止剤)、味覚の向上(甘味料)、見た目をよくする(着色料)、栄養価の強化(ビタミン剤)などのために製造時に加えられるもので、天然由来添加物と化学添加物に分けられる。
食品衛生法により規格・基準は定められている。

 

◆除細動【じょさいどう】
心臓の電気信号の乱れから心筋が細く動き、正常な鼓動を打てない状態を、電気や薬物により取り除く方法。

 

◆ショック
大出血や心不全などで、血圧が下がり、生命の危機に陥っている状態。

 

◆徐脈【じょみゃく】
心拍数が1分間50回未満に落ちること。睡眠中などは徐脈になる。不整脈でみられることがある。

 

◆自立支援【じりつしえん】
支援を必要とする人が自分の意志で自分らしい生活を送れるように支援すること。
介護における基本的な考え方。自立支援システムとして、自立支援給付と地域生活支援事業がある。

 

◆自律神経【じりつしんけい】
運動や感覚を伝達するのではなく、自動的にからだの機能を調整するはたらきをしている神経。
末梢神経で、交感神経、副交感神経からなる。

 

◆自立度の評価【じりつどのひょうか】
自立とはほかの人の援助を受けずに身体的や経済的に自分の力だけで生活を営むこと。
自立度を測る方法としては、日常的な生活動作を自分で行えるかを食事、排泄、移動、移乗、コミュニケーション、社会的認知について評価するFIM(機能的自立度評価法)がある。

 

◆シルバーハウジング
高齢世帯向けのケア付き公営賃貸住宅。
バリアフリー、緊急通報システムなどを備え、生活援助員(ライフサポートアドバイザー)が常駐し、安否の確認、緊急時の対応、一時的な家事援助などを行う生活支援サービスを提供される。

 

◆心筋梗塞【しんきんこうそく】
冠動脈(かんどうみゃく)が完全に詰まり、詰まった先の心筋組織が壊死(えし)する疾患。
新機能不全となり、死亡することもある。

 

◆神経ブロック【しんけいぶろっく】
神経をブロックすることで、痛みを取る方法

 

◆人工関節置換術【じんこうかんせつちかんじゅつ】
変形性関節症やリウマチなどで膝や股関節の損傷がひどい場合に、人口の関節を埋め込む手術。
10~15年で交換が必要。

 

◆人工甘味料【じんこうかんみりょう】
食品に甘みをつける目的で使われる甘味料で、天然には存在せず、化学合成により作り出されたもの。
サッカリン、アスパルテームなど食品衛生法の指定があるもののみ使用されている。

 

◆人工呼吸【じんこうこきゅう】
自分で呼吸ができない人に、人工的に空気を送って呼吸を助ける方法。

 

◆新ボールドプラン【しんごーるどぷらん】
1999年度で終了した高齢者保健福祉5か年計画。現在は、ゴールドプラン21。

 

◆寝食分離【しんしょくぶんり】
寝たきりの状態であっても寝るところと食事するところは分けて、寝たきり状態を改善させる介護法。

 

◆心臓【しんぞう】
筋肉でできた袋で、なかに入っている血液を体に送り出すポンプの役割をする。
心臓自体が電気を発生して、その刺激で心筋を動かす。心臓の酸素を送るのは、冠動脈(かんどうみゃく)。

 

◆腎臓【じんぞう】
血液をろ過して、尿とからだに残す水分、電解質に分ける重要な臓器。
ソラマメのような形で背中側に2個が対になっている。

 

◆身体拘束の禁止【しんたいこうそくのきんし】
介護保険指定基準において禁止の対象となる具体的な行為。
省令基準により禁止されている施設は、
①特別養護老人ホーム
②介護老人保健施設
③介護療養型医療施設
④短期入所生活介護事業所
⑤短期入所療養介護事業所
⑥特定施設入所者生活介護事業所
⑦認知症対応型共同生活介護施設(グループホーム)。

 

◆身体障害者福祉司【しんたいしょうがいしゃふくしし】
身体障害者福祉法に規定させる任用資格。
身体障害者の福祉に関する事務、相談・助言を行う。福祉事務所や身体障害者更生相談所で業務にあたる。

 

◆心的外傷後ストレス障害【しんてきがいしょうごすとれすしょうがい】
過酷な体験を受けた後、日常で急に恐怖感や無気力、戦慄(せんりつ)が起こり、体験がフラッシュバックすることにより、社会生活が障害される状態。
略称はPTSD。

 

◆心電図【しんでんず】
体に電極を貼り、心臓が発する電気をとらえたグラフ。波形により不整脈、心筋梗塞、狭心症がわかる。

 

◆水痘【すいとう】
水ぼうそう。水痘・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルス(ヘルペスウイルス)による感染症。
子どものころの頃にかかることが多いが、体力が低下する高齢者になって、体内に潜んでいたウイルスが勢いを取り戻して帯状疱疹を引き起こすことがある。

 

◆水分補給【すいぶんほきゅう】
高齢者はのど渇きを感じにくくなったり、嚥下(えんげ)障害のために水分をとらなくなるので、水分不足に陥ることがある。
こまめに水分をとるように勧める事。

 

◆睡眠時無呼吸症候群【すいみんじむこきゅうしょうこうぐん】
睡眠中に発生する異常呼吸。睡眠中に舌が咽頭(いんとう)に入り込むため、一時的に呼気が止まる呼吸。
起床時には発生しない。日中の猛烈な眠気の原因となる。肥満者に多い。

 

◆睡眠障害【すいみんしょうがい】
眠るのに時間がかかる入眠困難、ごく早朝や眠りの途中でおきてしまう中途覚醒、熟睡感がないことが症状。

 

◆水溶性食物繊維【すいようせいしょくもつせんい】
果物に含まれるペクチン、海藻類に含まれるアガロース、こんにゃくに含まれるグルコマンナン、ごぼうやキクイモに含まれるイヌリンなどがある。
コレステロールの吸収を防いだり、胃内で膨張して糖質の消化管吸収を遅らせることで血糖値上昇を緩和するといわれている。

 

◆水様便【すいようべん】
下痢のときの便の状態のひとつ。水のような便。大腸の水分吸収機能が障害されて起こる。
脱水に注意し、水分と電解質を補給できる経口電解質補正液などをとる。

 

◆すくみ足【すくみあし】
パーキンソン病の人の歩行で、最初の一歩がなかなか出ないこと。
出たと思ったらトトトトと早くなって止まれなくなる突進現象が起こる。

 

◆スタンダードプリコーション
標準予防策。すべてのケアにおいて、感染症がなくても、血液、体液、汗を除いた分泌物、排泄物、傷のある皮膚を感染の可能性のあるものと考え、手洗い、手袋の着用などの予防策をとること。

 

◆ステロイド
強い抗炎症作用があり、さまざまな炎症にとてもよく効く薬。免疫抑制剤作用もあり、膠原病(こうげんびょう)やリウマチなどでも使用される。
副作用も強く、素人が薬の増減をすることは危険で、医師によるコントロールが必要。
特に、塗り薬は副作用をこわがって患者が自分で指示された量より少なくすることが多いが、悪化の原因になる。

 

◆ストーマ(ストマ)
腸や膀胱(ぼうこう)の病気で肛門や尿道が使えなくなった人の排泄のために腹部に設ける排泄口。
皮膚保護剤、フランジ、パウチからなる。パウチにたまった排泄物の廃棄のみならず、装具の装着も介護職員ができる行為。
その際、皮膚のかぶれなどがないかも観察する。

 

◆ストーマ(ストマ)の排泄物の処理【すとーま(すとま)のはいせつぶつのしょり】
人工肛門、人口膀胱(ぼうこう)、ストーマは石鹸で洗った手でゆっくり剥がし、内容物はトイレに流す。

 

◆スーパーバイザー
熟練した指導者であり、実務に就く介護スタッフたちを陰から支え、助言や相談役、監督の業務を行う。

 

◆生活援助【せいかつえんじょ】
身体介護とともに介護職員のい業務のひとつ。炊事、洗濯、掃除など高齢者の生活の手伝いをする。

 

◆生活支援員【せいかつしえんいん】
知的・精神障害者、認知症高齢者の権利を擁護するために市町村の福祉協議会から派遣される専門職。
日常生活の金銭管理、福祉サービスの提供を行う。障害者施設にいる生活支援員は障害者の日常の支援や相談事にあたる。

 

◆生活習慣病【せいかつしゅうかんびょう】
長期の生活習慣の積み重ねで発生する疾患。がん、心臓病、高血圧、糖尿病、脂質異常症などがある。

 

◆生活不活発病【せいかつふっかぱつびょう】
廃用症候群ともいう。寝たきりやこもりきりで生活に活気がなくなることが原因で、からだの機能が衰え、精神的にも不安定になる状態。
何かができなくなるとさらに活動しにくくなるなど、悪循環を引き起こす。

 

◆生活福祉資金【せいかつふくししきん】
低所得者世帯、障碍者世帯、高齢者世帯を対象として、生活費などの貸し付けを行う。
社会福祉協議会の業務。

 

◆生活歴【せいかつれき】
家族、仕事、学歴、戦争の経験など要介護者が今日に至るまでの境遇などを指す。
生活歴を知ることは要介護者の気持ちにあったよりより介護につながると考えられている。

 

◆精神安定剤【せいしんあんていざい】
精神に作用して不安を除く、主に抗不安薬をいう。

 

◆精神障碍者保健福祉手帳【せいしんしょうがいしゃほけんふくしてちょう】
精神疾患をもち、長期に日常生活または社会生活に制約がある人のための障害者手帳。1~3級まである。

 

◆精神保健福祉士【せいしんほけんふくしし】
国家資格。精神科ソーシャルワーカーともいう。精神科医療機関などで、精神障害者の生活を支援し、社会復帰のための助言や家族の支援を行う職種。
略称はPSW。

 

◆精神保健福祉士【せいしんほけんふくしし】
洗髪、洗顔、歯磨き、爪切り、着替えなどによりになりを整えて清潔を保つこと。
生活のリズムを作り、生きる意欲を持たせるための必要な行為。

 

◆整容【せいよう】
洗髪、洗顔、歯磨き、爪切り、着替えなどによりになりを整えて清潔を保つこと。
生活のリズムを作り、生きる意欲を持たせるための必要な行為。

 

◆脊髄損傷【せきずいそんしょう】
事故などで背骨(脊椎(せきつい))を骨折・脱臼したことで脊髄が損傷すること。
脊椎は首から腰まで32~35個あり、ひとつひとつから神経が出ている。上は腕から下は脚までそのその脊髄神経より下のからだの部位が麻痺することが多い。

 

◆脊髄小脳変性症【せきずいしょうのうへんせいしょう】
特定疾患。難病で、運動や平衡機能を司る小脳が障害され、歩行障害、手の震えなど運動相がが生じる。

 

◆脊柱【せきちゅう】
背骨のことで、7つの頸椎、12の胸椎、5つの腰椎、5つの仙椎、3~5つの尾椎からなる。
このなかを脊髄神経が通っていてひとつひとうの椎骨から出ていく。

 

◆脊柱管狭窄症【せきちゅうかんきょうさくしょう】
特定疾患のひとつ。脊柱管が狭くなり、脊椎(せきつい)の中に通っている神経を圧迫してしびれ、痛みなどの症状がでる。
しばらく歩くと痛みが出て歩けなくなり、少し休むとまた普通に歩けるようになる間欠性跛行(かんけつせいはこう)も特徴。

 

◆脊椎圧迫骨折【せきついあっぱくこっせつ】
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などで骨がもろくなっている人が尻もちをつくことで、椎体が潰れたしまった状態。
腰痛があり、脊椎管狭窄症(せきついかんきょうさくしょう)を伴うと、しびれや脚の痛みが現れる。しばらく安静にすることで治るが、長期臥床で寝たきりを引き起こさないよう、状態に応じてあるくなどのリハビリテーションをする。

 

◆脊椎すべり症【せきついすべりしょう】
つながっている脊椎が前後にずれて、前にすべったように見える。腰痛があり、脊椎管狭窄症(せきついかんきょうさくしょう)を伴うと、しびれや脚の痛みなどが現れる。

 

◆接触感染【せっしょくかんせん】
病原体が人の手や指を介して伝わる感染経路。汚染された手でドアのノブを触ったり、トイレ介助の後に手を洗わず食事介助をするなどが原因で院内感染症を引き起こすことが多い。

 

◆セミファーラー位【せみふぁーらーい】
ベッドの頭側を仰臥位(ぎょうがい)より15~30度上げた姿勢。上半身が下にずれやすいので膝の下にクッションを入れるなどして安定させる。
仙骨部に圧がかかり褥瘡(じょくそう)になりやすいので注意が必要。

 

◆全身性エリテマトーデス【ぜんしんせいえりてまとーです】
特定疾患。難病で、自分自身の免疫が自分のからだを攻撃してしまう自己免疫性疾患。
頬に蝶の形をした発疹ができたり、関節炎、臓器障害など全身に症状が出る。ステロイドなどで治療する。略称はSLE。

 

◆せんす折り【せんすおり】
タオルやシーツをせんすのように折りたたむこと。シーツ交換時では使ったシーツを折りたたむことで、新しいシーツに汚れがつかないようにできる。

 

◆尖足【せんそく】
寝たきりの人が布団の重みなどで足が底屈(ていくつ)し、つま先立ちのように変形した状態。
歩けなくなるので、足を直角に保つようにプロテクターを装着するなどして予防する。

 

◆善玉コレステロール【ぜんだまこれすてろーる】
HDLコレステロールのこと。コレステロールを排出するはたらきをもつ。肝臓でつくられた血漿(けっしょう)における高度が虚血性心疾患の発症と逆相関を示すことから善玉といわれている。

 

◆ぜん妄【ぜんもう】
一時的に精神状態に以上をきたし、うわごとを言ったり幻覚や幻聴が生じること。
病気の悪化や、高齢者が入院した時、認知症の症状としてよくみられる。

 

◆前立腺肥大症【ぜんりつせんひだいしょう】
尿道を取り囲む前立腺が肥大し、尿道を狭めることから、尿の出が悪くなり、残尿感があるなど排尿に困難を生じる疾患。
80歳以上の高齢男性の8割がかかる。完全に尿がでなくなる危険もあるので、注意が必要。

 

◆躁うつ病【そううつびょう】
双極性障害ともいう。多弁、多動となり休息をとらなくても平気な躁状態とうつ状態を繰り返す。

 

◆喪失体験【そうしつたいけん】
家族や大切な人の死、失業など、いままで身の回りに存在していたものを失う体験。高齢期に多く体験する。

 

◆足浴【そくよく】
利用者に椅子に腰かけてもらい、湯を入れたバケツで足を温める部分浴。
入浴ができないときの清掃援助として清拭と組み合わせることもある。

 

◆そけい部【そけいぶ】
鼠径部と書く。腹部とももの結合部分。大きな関節があり、大腿の運動を可能にしている。

 

◆粗大動作【そだいどうさ】
巧緻動作(こうちどうさ)のような細かい動きではなく、おおまかな動作。ADLの自立に必要。

 

◆措置制度【そちせいど】
介護保険制度の以前の老人福祉制度で行われたように、利用者が受けるサービスを、胃町村が決めていく事。
現在は、自己選択と自己決定、契約に基づいてサービスが提供される。

 

◆ソーシャルワーカー
社会福祉士のこと。国家資格。障害のある人が日常生活を営むために相談、指導、福祉サービスについて助言する職種。
略称はSW

 

介護職員のための重要用語「た」行

重要用語「た行」

 

◆体位変換器【たいいへんかんき】
寝たきりの人の体位変換を行う器具。
エアマットの空気圧が電動で変わり体位変換するものと、スライドボードのように介助者が行うのを援ける用具がある。

 

◆体温測定【たいおんそくてい】
体温とは外部の気温に左右されない身体の温度をいい、主にわきの下、口腔で水銀体温計または電子体温系で測定する。

 

◆代謝異常【たいしゃいじょう】
食事や酵素など外界から体内に取り込んで、エネルギーなど使いやすい形に変える代謝の機能に異常があること。
代謝疾患には、糖尿病、痛風、先天性代謝異常などがある。

 

◆帯状疱疹【たいじょうほうじょうん】
からだの片側に帯状に痛みを伴う湿疹ができる。以前かかった水ぼうそうのウイルスが体内に残っていて、体力や免疫力が落ちたときに再び活動を始めることで起こる。

 

◆対症療法【たいしょうりょうほう】
根本的に病気のもとを治す治療をするのではなく、いま出ている症状に対する治療。
風邪ならば咳(せき)止め、熱さましなど。

 

◆耐性菌【たいせいきん】
抗生物質の乱用により変異を遂げ、抗生物質が効かなくなった微生物。院内感染の原因となることがある。

 

◆大腸菌【だいちょうきん】
腸内細菌のひとつで、普通の環境のなかにも生息しており、下痢を引き起こす。
病原性の強いものに、腸管病原菌大腸菌、腸管出血性大腸菌などがある。調理の際に加熱することで死滅する。

 

◆代理受領方式【だいりじゅりょうほうしき】
現物給付化のこと。介護保険では償還払いが原則であるが、利用者が支払いをしてから償還されるまでに時間がかかるので、市町村が利用者の代わりにサービス事業者に介護報酬を支払い、給付が行われたとみなす方式。

 

◆脱水【だっすい】
体内の水分量が減った状態。過度の発汗、下痢、嘔吐(おうと)、利尿薬の飲みすぎなどで起こる。
痙攣(けいれん)、微熱、低血圧、頻脈(ひんみゃく)、皮膚乾燥などの症状を呈す。
電解質も失われることが多いいので、水を飲むだけでなく、経口電解質補正液を飲むなど電解質の補給もしなければ悪化する。

 

◆脱健着患【だっけんちゃっかん】
まひや拘縮(こうしゅく)などの要介護者の衣服着脱の基本で、まひのない側(健側)から脱ぎ、まひのある側(患側)から着ること。
これにより患側の動きを最小限にできる。

 

◆第2号被保険者【だいにごうひほけんしゃ】
介護保険制度で市町村に居住し、医療保険に加入している40歳以上65歳未満の者をいう。

 

◆ターミナルケア
終末期(治癒する可能性がなくなった疾患を抱えた人のなくなるまでの時期)医療ともいわれる。
末期患者に対して身体的、精神的苦痛をやわらげ、残された人生をできる限り有効に過ごせるよう家族を含めて援助すること。

 

◆胆汁【たんじゅう】
肝臓でコレステロールからつくられる黄色の液体で、脂肪の消化を助ける。
肝臓から絶えず流れ出す短銃をためる袋が胆嚢(たんのう)。

 

◆胆石【たんせき】
肝臓でつくられる胆汁(たんじゅう)の成分が固まって、胆嚢(たんのう)や胆管に詰まったもの。
右上腹部の強い痛み、悪心・嘔吐(おうと)などの症状がでる。体外から超音波を当て胆石をくだいて自然に流す治療などがある。

 

◆胆嚢【たんのう】
肝臓の下にくっついていて、肝臓でつくられた胆汁(たんじゅう)をためて濃縮するなすのような形の袋。
食物が十二指腸に入ると収縮して胆汁を十二指腸に排出する。

 

◆地域支援事業【ちいきしえんじぎょう】
地域包括支援センターが行う、3つの必須事業(介護予防事業、包括的支援事業、指定介護予防支援事業)と、任意に行う介護給付等費用適正化事業、家族介護支援事業などの事業。

 

◆地域包括支援センター【ちいきほうかつしえんせんたー】
地域包括支援事業を行う機関。地域での介護予防ケアマネジメントを行うために設置された。

 

◆畜尿バック【ちくにょうばっく】
ハルンバックともいう。尿道留置カテーテルで尿道をしている場合に使用する、尿をためるビニール袋。袋の中は菌が増殖し、感染しやすくなる。
たまっている尿が逆流しないよう、袋を陰部より上にしてはいけない。

 

◆中核症状【ちゅうかくしょうじょう】
認知症で脳が委縮、損傷したことが原因で起こる症状。記憶障害、見当識障害(けんとうしきしょうがい)(失語、失行、失認)、実行機能障害をいう。
認知症が進むことではっきりと現れてくる。これに付随して周辺症状(BPSD)がある。

 

◆中心静脈栄養法【ちゅうしんじょうみゃくえいようほう】
経口的に食事摂取できない場合の栄養補給を目的に、静脈から栄養素とエネルギーを含んだ輸液を投与すること。

 

◆中枢神経系【ちゅうすうしんけいけい】
神経系のうち、脳と脊髄からならる中枢部を指し、全神経の統合・支配などの役割を果たしている部分。
末梢神経系が受けた刺激を受容し、応答指令を伝達する。

 

◆腸炎ビブリオ【ちょうえんびぶりお】
夏に、アジ、イワシ、イカ、シラス干しなどの生の魚や貝を食べることで感染し、腹痛、嘔吐(おうと)、下痢を引き起こす細菌。
調理の際に、魚などを扱った包丁はよく洗い、まな板は、野菜に使用するものと別にするなどの注意をする。

 

◆治療食【ちりょうしょく】
入院患者の食事で、栄養素エネルギー(カロリー)制限のある糖尿病や腎臓疾患などの患者に対して、医師の指示のもとに管理栄養士が献立を作成する。

 

◆対麻痺【ついまひ】
からだを左右に分けたとき、左右両方が対になってまひする状態。
片側だけのまひを片まひという。脊髄(せきずい)やギラン・バレー症候群で見られる。

 

◆痛風【つうふう】
高尿酸血症が原因で起こり、足の親指の付け根の関節などが強く痛む発作的な症状が一週間ほど続く。
予防にはビール、タラコ、サケ、納豆などに多く含まれるプリン体の摂取を控える。

 

◆ツベルクリン反応【つべるくりんはんのう】
精製ツベルクリンたんぱくを注射し、結核に対する免疫があるかどうかを調べる検査。
直径10mm以上の腫れや発赤のみられない陰性の人にはBCGの予防注射がされる。

 

◆低温やけど【ていおんやけど】
湯たんぽ、ホットカーペットなど低温のものがからだに長く接触することで、皮膚深部までやけどの損傷が及ぶことがある。湯たんぽはからだから離して置く。
認知症や糖尿病などで感覚障害がある人には注意が必要。

 

◆低血糖【ていけっとう】
血糖値が70mg/dL以下のこと。糖尿病でインスリンや血統投下薬が原因だったり、空腹時低血糖といい食事をとらなかったときに起こることがある。
空あくび、振戦(しんせん)、徐脈など不快な症状から始まり、頭痛、めまい、錯乱から傾眠、昏睡、痙攣(けいれん)、へと進む。おかしいと思ったときにすぐ、ブドウ糖やキャンディー、甘いジュース等を摂取する。

 

◆テクノエイド
福祉用具の安全で効果的な利用を資するために成立された公益財団法人。
ホームページ上で福祉用具や福祉用具ヒヤリ・ハット情報が検索できる。

 

◆てんかん
脳の電気的な信号が乱れ過剰に発射されることから起こる。
突然、全身を硬直させ痙攣(けいれん)する発作や、失神、脱力などさまざまな発作のタイプがある。
発作時は、冷静に周囲の安全を確認し、頭を押さえ下顎(かがく)に手を当て気道を確保し嘔吐(おうと)に注意し、おさまるのを待つ。
舌を噛まないように口に何かを突っ込むのは危険。

 

◆頭蓋【とうがい】
頭の骨格。脳を修める脳頭蓋と顔の部分の顔面頭蓋がある。

 

◆統合失調症【とうごうしっちょうしょう】
精神障害のひとつ。妄想や幻聴、興奮などの陽性症状と感情鈍麻(どんま)、無動緘黙(かんもく)、同じ行為を繰り返す常同的思考など陰性症状を呈する。
以前は精神分裂病といわれていた。

 

◆糖質【とうしつ】
いわゆる炭水化物のことで、イモ類や穀類、豆、果物に多く含まれる三大栄養素のひとつ。
筋肉や脳のエネルギー源だが、摂取しすぎると肥満など生活習慣病の原因となる。

 

◆糖尿病【とうにょうびょう】
膵臓でつくられるホルモンで、体内の血糖値の維持にかかわるインスリンが体内でつくられないⅠ型と、はたらきが十分でない2型がある。
糖尿病のための食品交換表に則った食事制限や、インスリンを補充する服薬、自己注射でコントロールし、三大合併症を防ぐ。
略称はDM。

 

◆糖尿病性神経障害【とうにょうびょうせいしんけいしょうがい】
糖尿病の三大合併症のひとつ。
しびれ、こむら返りなどの感覚・運動神経障害、起立性低血圧などの自律神経障害、血管障害が原因の神経障害や糖尿病筋萎縮などがある。
特に、痛みを感じにくいことがあるので、訴えがなくても壊疽(えそ)などの足病変や、低温やけどに注意する。

 

◆糖尿病性腎症【とうにょうびょうせいじんしょう】
糖尿病の三大合併症のひとつ。
血糖が高い状態が持続することで糸球体(しきゅうたい)が破壊されてしまうことからおこる腎臓障害。
最終段階で透析療法に進む。

 

◆糖尿病性網膜症【とうにょうびょうせいもうまくしょう】
糖尿病の三大合併症のひとつ。
網膜にある細い血管がもろくなって出血したり、詰まってたりすることで新しく血管が出現し、網膜剥離を起こし失明の原因となる。

 

◆同名半盲【どうめいはんもう】
脳卒中(のうそっちゅう)などで損傷した部分の反対側に、両目とも視野狭窄(きょうさく)が出る状態。
半側空間無視を合併していることもあるので、食事のセットなどは利用者の状態を見て行う。

 

◆特殊寝台【とくしゅしんだい】
福祉用具のひとつ。背部または脚部の角度と、ベットの高さが調整でき、転落防止用の柵が取り付けられるベット。

 

◆特定健康検査【とくてけんこうけんさ】
メタボリックシンドローム対策として、2008年4月より導入された新しい健康診断。
糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的とする。